敬語は大人として一番初めに身につけておくべきマナーです。
ビジネスでは、目上の方と接する機会も増えるため、特に敬語の使い方には気をつけなければいけません。
「よろしくお願いいたします」という言葉は、メールの文末に締めの言葉としてよく使う言葉ですが、とにかく「よろしくお願いいたします」とつけておけば間違いないだろうと簡単に考えてしまっていませんか?
正しい使い方を知っていないと、いざと言うときに相手に失礼な対応となってしまうかもしれません。いつも使う、何気ない言葉だからこそしっかりと使い方を知る必要があるのではないでしょうか。
例えば、「よろしくお願いします」や「よろしくお願い申し上げます」との使い分けは正しくできていますか?目上の方にメールを送る際、漢字を使っていませんか?
漢字とひらがなの表記などほんのちょっとしたことですが、相手によっては不快に感じさせてしまう場合もあるのです!
そこで今回は、『目上の方に対しての「よろしくお願いいたします」の使い方と漢字・ひらがなの違い』と、『「よろしくお願いします」や「よろしくお願い申し上げます」との使い分け』について解説します!
今後もお付き合いのあるかもしれない取引先の方に対して、不快な思いをさせてしまわないように是非マスターしておきましょう!就活中の方は超・必見です!
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目上に対しての敬語よろしくお願いいたしますの使い方!漢字は?
どんなメールの文章の最後にも必ずと言っていいほど付けられている締めの言葉、「よろしくお願いいたします」は、主にメールでの連絡や先方のやり取りの基本中の基本です。
特にメールや電話でのやり取りは、相手の顔を見ながら対応できるものではないので、言葉遣いには十分に注意しておくようにしましょう。
メールの最後の文章がよくないと、メール全体の印象を悪くしてしまいます。
ビジネスマナーのセミナーなどを開催している講師の中には、
「メールを送るときは、送る相手がとてつもなく偉い相手だと思って文章を考えるように」と指導している方もいらっしゃるそうです。
「メール程度で少し大げさなのでは・・・?」と思ってしまいますが、そのくらいメールでの言葉遣いには気をつけるべきと考えている方は多いのです。
「よろしくお願いいたします」の使い方と他の結びの言葉の例文
普段の会話と同じく、メールでも挨拶で始まって挨拶で終わるというのが基本です。
「よろしくお願いいたします」は、普段の会話での「では、失礼します」というイメージでメールの最後につけて構いません。
- 基本の使い方
- 一旦やり取りが落ち着くとき
- 今後もやり取りが続くとき
- 先方から「よろしくお願いします」と言われたとき
- 検討、返信してほしいとき
- 確認やお礼など一言で済むとき
「よろしくお願いいたします」「何卒よろしくお願いいたします」
「今後ともよろしくお願いいたします」
「引き続きよろしくお願いいたします」
「こちらこそ、よろしくお願いいたします」
「お手数ですが、ご検討ください」「ご回答いただければ助かります」
「それでは、ご返信をお待ちしております」
「まずはお礼まで」「取り急ぎ、ご報告まで」
「よろしくお願いいたします」漢字は間違い?
「よろしくお願いいたします」はひらがなで書かれていることが多いですが、漢字で「宜しくお願い致します」と書くのは間違っているのでしょうか。
答えは、使わないほうが無難、です。
「宜」という字は、常用漢字にありますが、「ギ」という読みがあるだけで「よろしく」と読みはなく、挨拶としての意味もありません。
「宜」の意味は「程よく」というような意味のため、意味が似ていたことから「宜しくお願いいたします」と漢字にして使われるようになりましたが、厳密に言うと正しくありません。
「致」という字は常用漢字には「いたす」という読みはありますが、「(心・思いを)届ける、届かせる」という意味となり、「よろしくお願い致します」と使うのには意味がつながりません。
「お願いいたします」という敬語は「お願いする」+「です・ます(丁寧語)」という形の補助動詞となります。
そのため、「~かもしれない」(×「かも知れない」)、「~てみる」(×「~て見る」)のようにひらがなで書くのが正しいとされています。
「よろしくお願いします」や「よろしくお願い申し上げます」との使い分け
「よろしくお願いいたします」と同じ意味の言葉で、「よろしくお願いします」や「よろしくお願い申し上げます」など、言い方はたくさんありますが、どのように使い分けをすればよいでしょうか。
まず、読んでいてもお分かりかと思いますが、「よろしくお願いします」は他の二つの言葉と比べて丁寧さが少し控えめです。
「お願いする」+丁寧語「です・ます」の作りになっており、シンプルな印象になりますね。
社内の方やよく知っている相手に対して使うとよいでしょう。先輩にアドバイスを求めるときなど、比較的関係性の近い相手に対しては使ってもかまいませんん。
関係性が近い方に対しては丁寧な言葉遣いをしすぎると、相手に距離を感じさせてしまうことがあるので注意してください。
「よろしくお願い申し上げます」という言葉には、「申す(「言う」の謙譲語)」+「上げる(補助動詞)」+丁寧語「です・ます」の作りとなっており、「よろしくお願いいたします」よりもさらにへりくだった表現となっています。
間違った表現ではありませんが、普段遣うには少し丁寧すぎるので、「よろしくお願いいたします」を使うほうがいいでしょう。
相手に対してお詫びをしたいときや、重大なお願いをしたいときに遣うのにはいいかもしれませんね。
基本の基本である「よろしくお願いいたします」、メールを送る相手や状況によって使い分けてみてくださいね!