結婚式やイベント会場などの冒頭の挨拶で「本日はお足元の悪い中お越し下さいまして…」という言葉を聞いたことがありませんか。
「お足元の悪い中」は正式な場やビジネスでよく使われる言葉なので、意味や使い方を間違えると恥をかくことになってしまいます。
メールの例文などを参考に、いつでも正しく使えるようにしておきましょう。
また、最近では「お足元の悪い中」は差別用語ととらえられることもあるようなので、同じ意味で言い換えられる類語表現は覚えておく必要があります。
そこで今回は挨拶でよく使われる『お足元の悪い中の意味と使い方』また、『メールの例文や類語、英語表現』までをご紹介します。
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「お足元の悪い中」の意味
「お足元の悪い中」は「おあしもとのわるいなか」と読みます。
「足元」は「少し広い範囲の足の周辺」をさします。
その足元が悪いということは、雨や雪などで地面の状態が悪く歩きにくい状況を意味しています。
つまり、「お足元が悪い中」というのは「雨や雪などの悪天候の中」という意味になります。
「お足元の悪い中」の使い方
「お足元の悪い中」は、挨拶などでよく使われる言葉です。
挨拶として使う場合は「お足元の悪い中お越しいただき、ありがとうございます」など、その後ろに文章が続きます。
天候が悪い中で来てくれたことに感謝をする時に使います。
「ご参加くださり」や「お越しいただきまして」など、「お足元の悪い中」の後ろに続く文章は「ご/お○○くださり」や「ご/お○○いただきまして」という敬語表現になります。
そして最後に「ありがとうございます」など、感謝の言葉で締めくくることがおおいです。
天気が良い日には「お足元が悪い中」は使わない
「お足元の悪い中」という言葉を使う時はあくまで天候が悪くて地面の状態が良くない時だけで、天候が良い日には使いません。
例えば真夏の暑い日などは、暑さが厳しくても地面は歩きにくいわけではないので「お足元の悪い中」とは言いません。
このような場合は「暑さの厳しい中」と言います。
自分のおこないに対して「足元が悪い中」とは言わない
「お足元が悪い中」という表現は、相手に対してねぎらいと感謝を込めて使う表現です。
自分のおこないに対して「足元が悪い中」と言うと、「悪天候なのにわざわざ来ましたよ」という嫌味になってしまいます。
「足元が悪い中、訪問させていただきました」とは絶対に言ってはいけません。
メールで書く時は「あしもと」の漢字に注意する
メールや手紙などで「お足元の悪い中」と記載する時、「あしもと」の漢字変換には注意が必要です。
実は「あしもと」の漢字には「足元」の他に、「足下」と「足許」もあります。
「足下」は「足のすぐ下、近く」を意味し、「足許」は「苦しい立場。差し迫った状況。」という意味です。
弱みをにぎられた時に「あしもとを見られる」と言ったりしますが、この場合の「あしもと」は「足許」の漢字があてはまります。
このように、「あしもと」は漢字によって意味が多少ことなります。
「天候が悪くて地面の状態が良くない中」という意味で「あしもとの悪い中」と記載する場合は、「足元」と書くようにしてください。
「お足元の悪い中」は差別用語?
最近では「お足元の悪い中」は差別用語になるから使わない方が良い、という意見もあります。
「足元が悪い」という言葉が、「足そのものが悪い」ととらえられる可能性があるためです。
しかし、前述した通り「足元」とは「少し広い範囲の足の周辺」をさし、足そのものではありません。
「お足元の悪い中」という表現は差別用語にはあたらず、ビジネスで使用しても問題のない言葉です。
ただし実際のところは気になる人もいるようなので、足の不自由な人やご年配に対しては次にご紹介する類語表現を用いた方が無難かもしれません。
「お足元の悪い中」の類語
「お足元の悪い中」のように、天候が悪くて地面の状態が良くないという意味で使える表現は他にもあります。
ここで、いくつか類語表現をご紹介します。
- あいにくの天気の中
- あいにくの空模様の中
- このようなお天気の中
- 〇〇(雨や雪など、具体的な天気)の中
- お足元がすべりやすい中
「お足元の悪い中」のメール例文
次に、「お足元が悪い中」を使ったメールの例文をご紹介します。
メールだけでなく、話し言葉としても使えるものを選びましたので、ぜひ参考にしてください。
- この度はお足元の悪い中、弊社までお運びいただき、大変恐れ入ります。
- 本日はお足元の悪い中、当イベントにお集まりいただき、心よりお礼申し上げます。
- お足元の悪い中、お呼び立てしてしまい誠に申し訳ございません。
- お足元の悪い中、遠方よりご参加下さり、誠にありがとうございます。
「お足元の悪い中」の英語表現
来てくれたことへの感謝は「Thank you for coming」で通じますが、悪天候の中来てくれたことに対して感謝を述べたい場合は、「悪天候」を表す「terrible weather」を使います。
- Thank you for coming to our office in this terrible weather.
お足元の悪い中、弊社にお越しいただきましてありがとうございます。
「お足元の悪い中」は日本語表現なので、英語表現する場合は、本来の言葉の意味を使用することで、訪問者に対する心遣いを表すことができます。
「まとめ」
「足元が悪い中」というのは、雨や雪などで地面の状態が悪く歩きにくい状況を意味しています。
たいていは「「ご/お○○くださり、ありがとうございます」という文章が後ろに続き、挨拶文として使われます。
メールなど、文字として書く時は「あしもと」の漢字を「足元」にするよう注意が必要です。
また、「足元の悪い中」という表現は相手をねぎらう気持ちを表現した言葉ですが、人によっては差別として受け取られるケースもあるようです。
相手によって「あいにくの空模様の中」など、類語表現に言葉を言い換えて使うようにしましょう。