プライベートではもちろん、ビジネスメールなどにおいても「後程」という言葉を使います。
しかし、「後程」があらわす期間がどれくらいなのかを正確に理解しておかないと、相手と自分との間で認識に差が出てしまいます。
特に顧客先との間で認識に差が出てしまうと、大きなトラブルに発展する可能性もあります。
そうならないためにも「後程」の意味や使い方を正しく理解しておかなければなりません。
また、「後程」の類義語を覚えておくと様々なシーンに合わせて表現を言い換えることができるので、ビジネスで大変役立ちます。
そこで今回は、『後程はどれくらいなのか』や『後程の意味や使い方』を『類義語やビジネスメールでの例文』などと共に解説していきます。
「後程」はどれくらい?「後程」の意味
「後程」の読み方は「のちほど」です。
ビジネスメールや文書などでは「後程」と漢字で書くことが多いですが、「後ほど」の「ほど」を平仮名にして使うこともあります。
「後程」は副詞的に用いることが多く、「少し時間がたったころ。少しあと」という意味です。
「後程」の意味を辞書で調べてみても分かるように、「○○時間から○○時間」といった明確な規定はありません。
つまり、「後程」があらわす時間の幅は個々の感覚によって様々です。
自分と相手とで認識のギャップを生じさせないためにも、「人によって「後程」のとらえ方は違う」という事をまずはしっかりと理解しておきましょう。
「後程」の使い方
ビジネスにおけるコミュニケーションでは、物事を明確に伝えることがマナーとされています。
自分と相手に認識の差があると、話が進まなくなってしまうためです。
誤解を生まないためにも、まずは「後程」という曖昧な表現を使わないようにすべきです。
「17時までに」や「明日までに」など、いつまでなのかを誰が見聞きしても分かるような言い回しをしましょう。
しかし、急に仕事をふられた時など、すぐに明確な期限を提示できないケースも多々あります。
そのような時は「後程ご連絡致します」など「後程」を用いても問題ありません。
ただし、「後程」はあくまで「少し時間がたったころ」であり、翌日以降になる場合は「後程」とは言えませんので、注意するようにしましょう。
日にちをまたぐ場合は「翌日」や「後日」という言い方をします。
相手から「後程」と言われた場合の対処法
もし自分が相手から「後程ご連絡いたします」と言われた場合は、どうとらえるべきでしょうか。
特に急ぎではない場合は、連絡が来るまで待つのも良いかもしれません。
しかし、繰り返しになりますが「後程」が示す時間間隔は個人個人で異なります。
期限が決まっていたり日時を明確に決めておきたい場合は、その旨を事前に相手に伝えておきましょう。
もしくは、「いつ頃ご連絡頂けますか」と先に問い合わせをするのもいいかもしれません。
期限ぎりぎりになって「いつ頃ご連絡いただけますでしょうか」と確認しても、相手はその時点で何も手をつけていない可能性もあります。
また、「連絡がまだ来ません」と頻繁に問い合わせをするのも失礼にあたります。
トラブルを避けるためにも、「後程」と言われた場合は「いつまで」なのかを事前に相手に確認しておくようにすることが大切です。
「後程」の類義語
ひとつのビジネスメールの中で、同じ言葉を何回も繰り返すのはあまり良い文章とは言えません。
そのような時は、同じ意味で違う言い回しができる類義語を覚えておくと便利です。
そこで、「後程」の言い換え表現となる類義語をご紹介します。
- 追って
- いずれ
- すぐに
- まもなく
- そのうち
「後程」の言い換え表現として最も適切な類義語は「追って」です。
「追って」は同じ読み方で「逐って」と書く場合もありますが、最近ではあまり使われることはありません。
また、「そのうち」は話し言葉のためビジネスにおいては使わない方が無難です。
「後程」を使ったビジネスメールでの例文
物事を明確に伝えるのがビジネスマナーですが、時と場合によっては明確な表現を避けた方が良い場合もあります。
ここではビジネスメールなどで使える、「後程」を使った例文をいくつかご紹介いたします。
- 本件に関しましては、後程メールにて詳細をお送りいたします。
- 現在○○は席を外しておりますので、後程折り返しご連絡させて頂きます。
- ご連絡いただきました内容につきましては確認次第、後程ご報告いたします。
- 新製品の詳細について、後程ご紹介させて頂きたく存じます。
- 後程あらためてご挨拶に伺います。
まとめ
「後程」は「のちほど」と読み、「少しあと」という意味になります。
「後程」には具体的な時間帯が規定されておらず、その認識は個々によって異なります。
まずは曖昧な表現をさけて、できる限り具体的な日時を提示するようにしましょう。
「後程」を用いる場合でもその日中に対応することが鉄則であり、翌日以降になる場合は「後日」と伝えます。
また、「後程」には「追って」などの類義語もいくつかあるので、活用できるように覚えておくと良いでしょう。