「幸いです」はビジネスにおいて、メールなどで相手にお願いをする際によく使いますよね。
しかし、なんとなく相手にお願いする意味で使っている方・・・実は目上の方や上司には失礼な使い方をしてしまっているかもしれません!
また、「幸いです」には、相手や場面に合わせた適切な類語がありますが、言い換えできる言葉を正しく覚えていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は『幸いですの意味と目上の方への失礼のない使い方』、『ビジネスメールでの例文や類語を使ったお願いの仕方』を説明いたします!
「幸いです」の正確な使い方を身につけて、コミュニケーションをより円滑にしましょう!
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「幸いです」の意味は?
「幸いです」は、「幸い」に丁寧語の「です」を付けて敬語にしたものです。
「幸い」の意味は
- 自分にとって望ましく、ありがたい、幸せなこと
- 運の良い、都合が良い
になります。
ビジネス上のメールで使われる「幸いです」は「自分にとって嬉しい。幸せなこと」という意味で使われます。
「幸いです」の使い方
基本的に「幸いです」はメールやビジネス文書で使います。では、ビジネスで「幸いです」を使う時はどのような場合でしょうか。大きくは
- 相手に何かをお願いする時
- 相手に自分の要望を伝える時
- 相手に自分の願いを伝える時
に分けられます。似たような感じではありますが、それぞれが少しずつ違うのです。
お願いをする時
相手に何かを依頼する時の「幸いです」は、「○○してくれたら自分は望ましい状態です。幸せです」という意味で、相手に何かしらの行為を要求する際の使い方です。
お願い事だけをストレートに表現することはビジネスにおいて好ましくありませんので、「幸いです」と自分の気持ちを添えることで相手への配慮を示しているのですね。
-
【例】
- ご多忙中のところ恐縮ですが、またご一緒できましたら幸いです。
要望を伝える時
相手に自分の要望を伝える時の「幸いです」は自分の「こういう状態になってほしい」という要望を相手に要求する際に使います。
お願いする時よりも、「自分はこう望んでいる」を前面に出している形ですね。これもまたストレートに「◯◯して下さい」と表現することは好ましくありませんので「幸いです」と付けることで柔らかく伝える言葉になっています。
- 【例】
- この度は大変お世話になりました。今後ともぜひお取り引きをお願いできれば幸いです。
自分の願いを伝える時
自分の願いを伝える時の「幸いです」とは、自分が相手にした行為について「こうしてくれたら、私はしあわせですよ」という願望を伝える際に使います。
相手に何かを要求することはありませんので、基本、言い放しの言葉になりますね。
- 【例】
- 先日、とても美味しいお菓子を見つけましたのでお送りします。ご賞味いただければ幸いです。
「幸いです」は目上の方に失礼?
さて、そんな「幸いです」ですが、目上の方に対しての使用は失礼に当たる場合があるとされています。
「相手に自分の要望を伝える時」や「お願いをする時」は、相手を立てる敬語を用いることが望ましいですが、「幸いです」は「幸い」に丁寧語の「です」を付けた言葉ですので、相手を立てた言葉とは言えません。
また、「幸いです」には「してくれてもいいし、してくれなくてもいいよ」というニュアンスも感じられるため、目上の方に対してはやはり失礼な印象を与えてしまう場合がありますので、注意しましょう。
失礼のない「幸いです」の使い方
「幸いです」を目上の方にも失礼のないように使うには、どうすればよいでしょうか。
「幸いです」は「幸い」を丁寧に言っている言葉でしたよね。そこに自身の気持ちを足してみましょう。「思う」の謙譲語「存じます」を付けて「幸いに存じます」とすれば、相手を立てた言葉になります。
上司等の目上の方や取引先等の外部の方に対して用いるのが「幸いに存じます」の使い方と言えるでしょう。
「幸いです」を言い換えできる類語
「幸いです」は使う相手や場面によっていくつかの言葉に言い換えることができます。
以下に例を挙げますので。適切な使い方を覚えましょう。
助かります
「助かります」は文字通り、「○○をしてくれると自分は助かりますよ」という意味の言葉で、「幸せです」という意味合いよりは、「嬉しいです。ありがたいです」という意味合いを含みます。
敬語ではありませんので、通常は目上の方や上司には使わず同僚やそれ以下の者に使います。
敬語ではなくても相手への感謝を示す言葉ですので、同僚、部下には積極的に使っていきたいですね。
- 【例】
- 明後日までに対応してもらえると助かります。
- 早急に確認してもらえると非常に助かります。
幸甚です
「幸甚」(こうじん)とは幸福の最大表現です。つまり、「幸せな気持ち」をもっと強く表した言葉と言えるでしょう。
逆に言うと、ビジネスにおいてそこまでの気持ちを表するべき相手といえば、やはり取り引き先等の社外の方になってくるでしょう。
さらにかしこまった表現にしたい場合は、「幸いです」のように後ろに「存じます」をつけ「幸甚に存じます」とすれば失礼の無い表現ができるでしょう。
非常に重い印象を与えますので、一つの文章や会話で多用することは控えましょう。ここぞという時に!
また、ビジネス用語ではありますが話し言葉で用いることはあまりなく、メールや手紙、案内状などのビジネス文書で使う機会が多い言葉です。
- 【例】
- 本日はありがとうございました。ぜひ今後もアドバイスをいただけましたら幸甚です。
- 本日お渡し致しました資料について、ご検討いただけましたら幸甚に存じます。
ビジネスメールでの使い方
「幸いです」や「幸甚です」は本来、案内状や手紙で用いられていた言葉でしたが、それが転じてビジネス文書やビジネスメールでも用いられるようになりました。
毎日使うメールやビジネス文書で「自身の要望」をお願いする時に使うのですが、注意点としては、何回も使ってしまうと相手に何度も念を押してお願いすることになってしまうため多用はNGです。
また、使う相手によって「幸いです」、「幸いに存じます」、「幸甚です」、「幸甚に存じます」を上手に使い分ける必要もありますので、注意が必要です。
- 幸いです
- 幸いに存じます
- 幸甚です
- 幸甚に存じます
→同僚など
→先輩・上司など
→上司・取引先など
→取引先
大体はこの辺りを意識して使い分けるとよいでしょう。
口語での使い方
「幸いです」、「幸甚です」はビジネスメールやビジネス文書で用いられるため、口語には不向きです。では、口語での場合はどうすればよいでしょうか。
その際は「お願いします」をシンプルに使いましょう。自身をへりくだって表現することで相手方に失礼のない印象を与えることができます。
- お願いします
- お願い致します
- お願い申し上げます
→同僚や部下
→先輩・上司
→上司・取引先など
他にも「ありがとうございます」も併用して感謝の気持ちを伝えるとさらに失礼のない応対ができるでしょう。
「幸いです」の英語表現
海外との取引きがある方や社内に外国人がいる会社では、英語でメールをやり取りする方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、英語で「幸いです」の表現をご紹介します。
I would appreciate if you could V.
〜していただけますと幸いです。
V(動詞)に相手にしてもらいたいことを入れて文章にします。
次に例文をご紹介します。
I would appreciate it if you could answer my questions.
私の質問にお答えいただけると幸いです。
まとめ
いかがでしたか?何かをお願いすることはビジネスでは毎日のようにあることです。
相手に失礼にならずにスムーズな仕事ができるよう、ぜひ使い方をマスターしてください!